上場企業の社員の方々にとっての自社の株式への投資はハイリスク

資産運用

「 卵は一つのカゴに盛るな 」という投資の格言がありますが、上場企業の社員の方々にとっての自社の株式への投資は「卵を一つのカゴに盛る」典型的な例と言えます。

給与天引きで自社の株式を積立購入する従業員持株制度や会社からの融資で自社の株式に投資される方はある程度おられることと思います。自身の頑張りで会社を成長させ、そして会社の株式上昇の恩恵も受ける。一見、すばらしい構図にも映りますが、そこには大きなリスクも存在します。今回は自社の株式へ投資する場合のリスクおよびその対処の方法について解説してまいります。

高度経済成長期にはたくさんの億万長者が誕生

メイドイン・ジャパンが世界を制した高度経済成長期においてはほとんどの上場株式が値上がりをし、自社の株式に投資をしていた社員の方々は大きく経済的な恩恵を受けることが出来ました。安定した給料を受け取り、自社の株式への投資で資産を増やす、これが当たり前のストーリーとなり定年退職後にたくさんの億万長者も誕生することとなりました。

ちなみに、1949年の東証再開時の日経平均株価は176円で1989年12月末には史上最高値の38,915円まで上昇し、約40年間で日経平均株価は221倍となりました。

1990年代後半になり知名度の高い金融機関が破綻

1990年に入り、こうした高度経済成長も終焉を迎えることとなりました。1990年後半にはバブル期に行った無理な融資が多額の不良債権を生むこととなり、北海道拓殖銀行、山一証券、日産生命といった知名度のある金融機関の破綻が連続的におこり、日本は金融危機を迎えることとなりました。当然のことながらそこで働く社員の方々は一時的とはいえ職を失うことになったわけです。

失職と株式価値ゼロのダブル・パンチ

社員の方々の中には何百万円、何千万円もの多額のお金を自社の株式へ投資された方もおられたと思います。一時的とはいえ職を失うと同時に金融資産も失うダブル・パンチを被ることとなりました。中には親子や兄弟で同時にダブル・パンチを被ったケースもあり、家族全体で厳しい状況に陥ることとなりました。これが、自社の株式に過度に投資してハイリスクを被った典型的な例です。

倒産リスクを考慮したうえで自社の株式へ投資

例えば、自社の株式ではなく株式投信に投資をしていたらどうでしょうか。少なくとも投資した元本はゼロにはならなかったでしょう。

自身が勤務する会社が倒産することなどは考えたくはないでしょうが、将来なにが起こるかは誰にも予測はできません。自身が勤務する会社であったとしても、1つの企業として倒産した場合のことも考え、リスク分散の観点から過度な自社の株式への投資を避け、投資信託のように資産分散がされている資産への投資を検討することをお勧めいたします。

最後に

今回は自社の株式への投資を例にリスク分散の重要性のお話をさせていただきましたが、自社の株式への投資に限らず、投資を行う前には最悪のケースを想定することを含め、十分なリスク分散を行った上で投資することをお勧めいたします。

マネー・マネジメントFPオフィス
代表 前田 敏 

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