働く期間の延長と公的年金の繰下げ受給で、公的年金の受取額を増額!

セカンドライフ資金対策

現在の60歳の方々はとても元気です。ひと昔前は55歳でリタイヤが一般的でしたが、今は生涯現役といった方々も少なくありません。長く働くことで公的年金である基礎年金・厚生年金の受取開始時期を遅らせ、受取額を増やしましょう。今回は基礎年金・厚生年金の繰下げ受給するときの注意点も含め、そのメリットを解説いたします。

公的年金は生活維持装置

終身でお金が受取れる基礎年金・厚生年金はまさにセカンドライフにおける生活維持装置です。例えば1億円の金融資産や不動産があるなどの資産家の方であれば、派手な生活をしないかぎり、公的年金が少ないからと言ってセカンドライフが苦しくなることはございません。

ところが、一般的な家庭においては保有する不動産は主に住居であり、保有する金融資産のみでセカンドライフをまかなえるものではありません。したがいまして、終身でお金が受取れる基礎年金・厚生年金はまさにセカンドライフにおける生活維持装置となるのです。

10年間繰下げで1.84倍に増額

極論をもし上げますと、75歳まで働いて75歳から繰下げにより1.84倍(1カ月で0.7%増額)に増額された基礎年金・厚生年金を受給すれば、セカンドライフにおける金融面での不安は払拭されるということです。

例えば、基礎年金・厚生年金を65歳で受け取り始めた場合の月の受取額が15万円(基礎年金6.5万円、厚生年金8.5万円)であれば、75歳まで繰下げることにより、月の受取額は1.84倍の27.6万円に増額されるということです。そして、基礎年金(6.5万円)のみのであれば、月の受取額は約12万円(11.96万円)に増額されるということです。

つまり、上記のケースのようにサラリーマンの夫と妻である専業主婦が公的年金を10年間繰り下げることにより、夫婦合わせて月の受取額が最大で40万円程度になるということです。月間40万円程度の年金による収入があれば、セカンドライフにおける金融面での心配はかなり払拭されるのではないでしょうか?

繰下げ途中で死亡した場合やお金が必要となった場合も無駄なく受領

繰下げ途中で死亡した場合、本人が一度も年金を受け取っていないのであれば、未支給年金として遺族は70歳未満であれば65歳時点から年金が支給されたと仮定して計算された年金額を、70歳以上であれば5年間さかのぼってその時点での受取額をもとに計算された年金額を受け取ることができます。また、繰下げ途中でお金が必要となった場合も同様に未支給年金として70歳未満であれば65歳時点から年金が支給されたと仮定して計算された年金額を、70歳以上であれば5年間さかのぼってその時点での受取額をもとに計算された年金額を受け取ることができます。両ケースとも受け取った未支給年金は一時所得扱いとなります。

損益分岐点の考えは参考程度に!

計算上は、70歳まで繰下げした場合の損益分岐点は81歳10ヵ月、75歳まで繰下げした場合の損益分岐点は86歳10ヵ月となりますが、自身の寿命を正確に推測することはできません。したがいまして、年金の増額は長生きした場合の安心のためだと割り切り、損益分岐点の考えは参考程度にされるのがよいと思います。

繰下げ受給する場合の主な注意点

繰下げによる年金受給額の増額は、税金の増額要因となります。そして、繰下げにより公的年金等控除をまったく使わない期間が生ずるケースもあるため、繰り下げを行う場合は税金と公的年金控除の要素も考慮して検討することが重要です。

また、厚生年金を繰り下げた場合、加給年金は支給されませんので、加給年金の受給期間が長い方は基礎年金のみ繰り下げる選択をされるのがいいでしょう。

その他の注意点として、遺族厚生年金には繰下げの増額分は反映されませんし、繰り下げて受給した直後に死亡した場合は、遺族はさかのぼって年金を受け取ることはできません。

まとめ

公的年金である基礎年金・厚生年金を繰下げする場合のポイントは以下の通りです。

  1. 10年間繰下げで1.84倍に増額
  2. 繰下げ途中で死亡した場合やお金が必要となった場合も無駄なく受領
  3. 損益分岐点の考えは参考程度に!
  4. 繰下げ受給する場合の主な注意点として、税金、公的年金等控除、加給年金の要素も考慮
  5. その他の注意点として、遺族年金に増額分は反映されない、一度受給して死亡した場合はさかのぼって受け取れない。

マネー・マネジメントFPオフィス
代表 前田 敏

※ 税金に関する個別の案件につきましては、税務署もしくは税理士にご相談をお願いいたします。

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